2015_aikuchi_02

弊社にて蒔絵を担当しました。

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普段からアクセサリーなど小さな物しか製作していないので、aikuchi のサイズの仕事はありません。大きさが大きくなる分、全ての工程で手間と時間が掛かります。

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(型のサイズの確認)
初めに型を写すのですが、塗り上がってきた器物と図面のサイズが違いました。aikuchiのデザインを見てもらうと、全面が繋がったデザインになっています。
このようなデザインには完璧に寸法のあった図面がなければ正確に蒔絵する事が出来ません。これは「コンピューター上のデータ」と「手仕事」とのズレです。
図面や写真などを見ながら、デザインを壊さないように辻褄を合わせる作業が必要です。

Urushi Art Hariya

型は型紙に写した図面の裏を全て漆でなぞり描いていきます。描き終えたら、それを鞘に押し当てます。すると、そこに描いた漆が写ります。そこに消粉を蒔き付着させ見やすくします。これを長刀では片面4分割にし両面合わせて8枚の型紙、短刀で3分割両面合わせて6枚の型紙を一枚一枚描き型を写していきます。

Urushi Art Hariya2Urushi Art Hariya3
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こうして写した型を元に、蒔絵の仕事に入っていきます。長刀の金色の線は平蒔絵の技法にて仕上げました。弁柄漆を用いて描き、描いたところに金粉を蒔き付着させます。金を蒔いたら1日は漆風呂に入れて乾かします。
(蒔いてすぐは触ると取れてしまうので乾燥が必要です。乾燥といっても漆の場合は湿度が無いと乾きません。なので、湿度70パーセント温度25度程度の箱に入れて乾かします。正確には硬化させています。)

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上記のような理由もあり蒔絵は一度に描ける面積が限られます。
絵の境目をどう綺麗に仕上げるかという事も必要な事で課題でした。
1日掛かりっきりで全ての線を描くのに10日程掛かりました。型ではうまく合わせられなかった部分などを修正しながらの作業だったので更に時間を要しました。

全ての金を蒔き終え数日間漆風呂でしっかり乾燥させます。
その後に、描いた金粉に生漆を塗り込み粉固めをします。これは漆の上に付着した金粉をコーティングし動かなくするために必要な工程です。この粉固め後も乾燥が必要なので漆風呂で3日程しっかり乾かします。

乾いたら次は研ぎます。炭や耐水サンドペーパー等を用いて水研ぎしていきます。研ぎすぎると下の漆が出てきてしまうので、研ぎ面を見ながら慎重に研いでツヤを出していきます。ある程度研いで、次に研磨剤と布で更にツヤを出していきます。

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そこから、次はドットの型を描いていきます。このドットも手描きです。それぞれ指定されたサイズの◯を描くために一つチェックしながら描いていきます。

こうして、全ての工程を終えてから全体に生漆を塗り拭き取ります。漆風呂に入れ乾かし、また拭き漆をします。何回か拭漆をしたのちにまた磨きます。この工程を艶が出るまで繰り返します。

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最後にMarcNewsonのサインを入れて完成です。

このような工程を経て製作されています。

購入可能です。
aikuchiのWebサイトがありますのでこちらにお問い合わせ下さいませ。

Wow.inc_[aikuchi]